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コラム『青畳の記憶』~OBからの寄稿文~

第5回: 支え
志田康弘(平成8年卒)
志田康弘(平成8年卒)
志田康弘(平成8年卒)
J.P.モルガン勤務

大学を卒業後、米国へ渡り現地の道場で指導をする傍ら、修士課程を修了し日本に戻ってきたのが、2002年。微力ながらも大学の稽古に参加し汗を流すことができました。あれから、8年。2009年に子供が産まれ、共働きのため、最近ではなかなか時間がとれず、最後に道着をきたのは今年の2月。こんなに長い間柔道をしていないのは、今までで一番長いことに気づきました。現在では生活や仕事に追われる毎日の中で、自分が与えられた機会や取得、習得したもの全ては柔道を通して出会えた方々のアドバイスや経験が根底にあると信じています。

1996年の春、私の大学院進学を目指す日々が始まりました。当初は英語もよくわかっておらず、その後直面する様々な困難は予想すらしていませんでした。今振り返ると「無謀な」挑戦だったように思います。初めての海外生活にとまどい、不安になることも多かったのですが、現地の道場で汗を流すうちに、柔道を通じて培った精神力こそが自分の強みなのだと再確認することができました。道場で知り合った人は数多く、今でも家族同然の付き合いを続けているような友人にも恵まれました。また、大学院に進学してからも現地のクラスメートとの討論や授業をこなすのは非常にハードだったのですが、早稲田大学柔道部の先輩・同輩の皆さんが励まし続けてくれたことも私の心の支えでした。

帰国後、J.P.モルガンに入社して8年が経とうとしています。社会人になってからも、早稲田大学の柔道部出身だということを知ると驚かれることも時折あり、やはり「柔道」の持つ魅力というものが、柔道未経験の人々にも幅広く浸透していることを実感します。最近では日本の柔道人口の減少も加速していますが、自分の息子が直面している状況を考えると、今の子供たちは小さいころから英語や水泳、そろばん等やるべき習い事が増えていることに加え、気軽に通える町道場が少ないこともその一因ではないでしょうか。私は息子にも是非柔道を経験させ、私や諸先輩・友人の方々が経験したような困難やそれを打開しようとする努力、それに続く達成感というものを身につけさせたいと考えています。

繰り返しになりますが、改めて自分の中で何が現在でも心の財産になっているかと考えると、柔道部で出会った同期の友人、先輩や後輩、一人ひとりが魅力的で多くの面で刺激を受け、その後の人生の舵取りに大変影響があったと思います。これからも柔道は私の心の支えであり続けると思います。

最後に次の投稿者として、何かと大変お世話になった先輩である古谷野 栄一先輩にバトンを渡したいと思います。

[2010年09月29日]