窮理在平生 臨事要明断
監督の声 キャプテンの声 選手募集 スタッフ募集 トレーナー募集 江川トレーナーのコンディショニング講座 コラム~青畳の記憶~諸先輩からの寄稿文 部員日誌
新入部員募集中! 君も早稲田の畳で日本一を目指そう!

コラム『青畳の記憶』~OBからの寄稿文~

第7回: 早稲田らしさ
古谷野 栄一(平成6年卒)
古谷野 栄一(平成6年卒)
古谷野 栄一(平成6年卒)
学校法人専修大学勤務

志田君から指名されていながら、大変遅くなってしまって申し訳ございません。
早いもので大学を卒業して17年が過ぎようとしています。
私は平成2年に入学したのですが、その時の主将が現在の監督でいらっしゃいます吉村先輩でした。4年の1年ということもありましたが、正直、怖かったです。が、それはあくまで稽古中で、それ以外はやさしく!?そして…そのギャップが素敵でした。
この場をお借りして、現役学生が知らない吉村監督の4年生の時の事を色々と書かせていただこうと思いましたが、3月22日に柔道部ガイダンスが控えており、これから早稲田大学を目指す高校生もたくさんこのHPを見ると思いますのでやめておきます。

柔道部の思い出としては、入学早々大澤先生に「なんだお前の柔道は。へっぽこ柔道!」と高校までやっていた柔道を全否定され…組み手は襟と袖をもって、正しい姿勢で技を掛ける。打ち込みは1回1回足を刈る・上げる。そして大学生にもなって受け身の試験(ほとんど合格しませんでした)。高校までの柔道ではなく、正しい姿勢・正しい組み手の早稲田の柔道ができるように努力した4年間でした。その他の思い出としては、1年生の時の二部落ち、4年生の時の一部復帰、毎年の早慶戦、合宿など挙げればたくさんありますが、特に1年生の時の東京学生で二部落ちした時の吉村先輩の涙は忘れられません。それとはまったく関係ありませんが、やはり同じく1年生だった時の、ある土曜の寮の飲み会での吉村先輩の姿も忘れられません。

柔道以上に頑張った!?お酒のことはあえて省略させていただきますが、柔道部で4年間過ごしたおかげで先輩・同期・後輩その他たくさんの人と出会うことができました。
新婚旅行では、当時ロサンゼルスにいた志田君のところに遊びに行きました。村瀬君が教員になって北海道に戻った時は旭川に遊びに行き、猪ノ口コーチがテレビ朝日に就職したのに、配属が六本木ではなくなぜかいきなり大阪勤務になった時も、大阪に遊びに行きました。先日は仕事の関係で福岡に出張でしたが、その時は一つ上の定松先輩に中洲でごちそうになりました。東京に先輩や後輩が来るときはみんなで集まって飲んだりしています。
卒業したばかりの頃は柔道部の話や彼女の話、30歳近くになると結婚や仕事の話、最近ではもっぱら健康診断の結果がどうだとか、ガンマはどれくらいだとか、話す内容こそ歳を重ねるにつれ変わってきていますが、卒業後も変わらない付き合いができる先輩・後輩がいるのが今の私の大きな財産となっています。

表題にさせていただきました「早稲田らしさ」ですが、もう何年も前の早稲田スポーツになりますが、学生記者のこんな記事が出ていました。
「試合前にインタビューをするとほとんどの部の主将が早稲田らしく戦いたい、早稲田らしい試合がしたいと口にする。早稲田らしさとは?私の4年間はその早稲田らしさを探した4年間だった。そして取材を続けるうちにようやくその意味がわかったような気がする。早稲田には推薦で入学してきたトップアスリートの学生もいる、一般受験で入学した者、浪人して入学した者、付属から進学した者、色々な人間がいる。推薦制度も充実していない中で、部員確保のために勧誘を行ったり、早稲田を目指す高校生に勉強会を開いたりと、限られた環境・条件の中で勝つためにはどうしたらいいのか、学生自身が考えて工夫し練習をする。それが早稲田らしさなのだと」私の記憶の範囲なので、実際の記事とは多少違うかもしれませんが、概ねこのような内容だったと思います。
現在はスポーツ科学部もでき推薦制度も充実してきましたが、今も昔も柔道部には、この「早稲田らしさ」が確実に存在していると思います。
先日の予餞会の卒業生を見てもわかりますが、いろいろな人間が集まって一つの目標に向かって努力する。与えられた条件の中で、目標達成のために学生が考え、もがき、悩み、そしてOBがそれを支える。それが早稲田大学柔道部の魅力だと思います。

今、小学校3年の娘と幼稚園の息子が昨年の4月からジュニアクラブでお世話になっています。子どもたちは軽い気持ちで始めたと思うのですが、広い道場で、優しい指導者の方(特にチーフの川田先生、山下OB会長、樗澤先輩、宇津木先輩、森先輩には長男が大変ご迷惑をおかけしております…)にご指導いただき、今まで一度も道場に行きたくないと言った事はなく、毎週土日を楽しみにしています。OBの私よりも道場に行っており、先輩方には私より子供たちの存在の方が大きくなってしまっているのではないかと、若干のあせりと嫉妬を感じております。卒業してから、馬場で飲むことはあっても、明治通りを越えることはほとんどなかった私ですが、二人の子供のおかげで、少しは道場に足を運ぶようになりました。自分が学生時代に汗を流した道場に子供と一緒に立てるという、当たり前ではない幸せをすごく感じております。

早稲田らしさ01


最後に先輩らしく!?現役学生のみなさんにある本で見つけた私の好きな言葉を…
「狂気なくして狂喜なし」
周りの人間がみて、狂っているんじゃないかと思われるぐらいでないと、狂喜乱舞するほどの喜びは得られないという意味だと思いますが、何となく「狂気」という言葉が、吉村監督以下今の柔道部にぴったりのような気がします。

志田君からバトンを渡され、6ヵ月近く止めてしまったので、それを取り返すべく、次のバトンは複数の方を指名させていただきたいと思います。
大澤先生の物まねでおなじみの、平成元年卒の森 忠義先輩
吉村監督と同期、平成3年卒の佐野 真一先輩
吉村監督を知り尽くした男!?平成5年卒の定松 治彦先輩
全日本選手権4回出場、平成10年卒の村瀬 秀行君
の4名の方にバトンをお渡したいと思います。よろしくお願いします!

[2011年03月16日]