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監督の声

道場について(その2)  2010年04月03日

私が高校を卒業し初めて早稲田の道場に立ったときは、道場の風格と良く効いたスプリングの影響で少し宙に浮いているような感じがしました。

山の手にある道場としては、最も歴史と風格がある道場のひとつであると思います。

柔道部員は4年間この道場で汗を流し、時には涙を流し、この道場で育てられ社会に旅立っていきます。
また、卒業生のみならず来場された方にも道場に対するそれぞれの想いがあります。

今回、道場の改修にあたり『早稲田大学柔道部百年史』で道場の歴史を振返ってみました。

早稲田の杜に初めて道場ができたのは、1896年(明治29年)。
評議委員犬養毅の提唱により資金を大学に依頼することなく諸名士からの寄付金により建設されました。

当初、大学側は「乱暴書生に武道を仕込まれたのではかなわない」といって取り合ってくれなかったそうですが、「学生の風習を矯正するには運動に限る」と積極的に説いて場所の提供の許しを得たそうです。
道場建設後は予想通り豪傑が続々と集まってきたが、「武道をやらせてみたら悪い風紀も矯正されてきた」と当時の記録にあります。

その後、大講堂の建設のため道場の移転が必要となり1904年(明治37年)建設されたのが「七徳館」(下の写真)です。

道場について(その2)02

その後、1933年(昭和8年)に武道館(下の写真)が完成しました。
開館式には、田中瑞穂総長、鳩山一郎文相(鳩山総理の祖父)、荒木貞夫陸相、その他各方面の名士が参列されたそうです。

道場について(その2)01

そして、現在の道場は1982年(昭和56年)に竣工しました。
見比べると前の道場の風格を継承したデザインであることが分かります。

道場について(その2)03

私は、残念ながら現在の道場しか知りません。
しかし「精力善用」(左側:嘉納治五郎師範)と「不動如山」(右側:第四代田中瑞穂総長)の書は世代を超えて柔道部員を見守ってきました。
この道場にこめられた先輩方の想いと苦労を理解することが次への飛躍に繋がるのではないかと感じざるをえません。

立派な道場を残して頂きました先輩方に感謝いたします。