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早稲田大学

江川トレーナーのコンディショニング講座

9:柔道選手のトレーニングをどう考えるか  2011年03月10日

柔道選手はトレーニングをしているのでしょうか?
柔道選手にトレーニングは必要なのでしょうか?

ここでいうトレーニングとは「柔道の練習」という意味ではありません。筋トレや走り込みやストレッチングや食事や睡眠など、柔道をするために必要な基礎身体能力を伸ばすことをさします。

いわゆる格闘技選手がトレーニングをしっかりとやっているのはトレーニングセンター等でよくみかけるのですが、柔道選手が明確な目的を持って科学的にトレーニングをしている姿を私はほとんどみたことがありません。

いろいろな方から柔道界の現実を聞いてみると、柔道界では未だ科学的な「トレーニング」というものが定着していない・・・というか定着しづらい現状があるようです。

なんとなくいろいろな試合を客観的に見てきましたが、確かに特にトレーニングをしなくても勝てる選手はいます。なんにもしなくても強い選手は強いみたいですね。なんにもしなくても勝った奴が強い。これは間違いない。

もちろん、トレーニングを頑張る=柔道が強くなる、とはなりません。

柔道が強くなるためには絶対に「柔道」をするしかありません。柔道の技術や感性は柔道でしか養えないのは当然です。トレーニングの「特異性の原則」にも当てはまります。

ではトレーニングは何のためにやるのか。

9:柔道選手のトレーニングをどう考えるか01
これはパフォーマンスピラミッドという競技力の高さを示す概念図です。三角形の面積が大きいほど競技力が高いと考えてください。

競技力の土台となるのは、選手自身のコンディションと、基礎体力です。どんなに柔道の技がうまくても、柔道センスがあっても(専門スキルが高くても)、体調管理ができていなければ試合でその能力は活かせません。試合時間全体にわたって冷静でありながらも全力で動ければ、柔道の専門スキルを活かすチャンスは多く巡ってくるでしょう。

まず体調管理が完璧であること。そして柔道に必要な体力要素が十分に鍛えられていること。その上で柔道の専門スキルや戦術が活きてくる。つまりコンディションが悪く、柔道に必要な体力がないと、その上に乗っかってくる柔道の専門スキルも小さくなってしまう。総じて小さなパフォーマンスピラミッドしか構成されない→競技力が低い、ということになります。

そうです。パフォーマンスピラミッドの土台を大きくすること(体調管理、基礎体力向上)が、戦術や柔道の専門スキルを伸ばす可能性につながるのです。

ここで専門的な用語としてのトレーニングとコンディショニングをきちんと定義しましょう。

体調を整えること、試合に向けて身体の状態をよりよい状態に調整することを「コンディショニング」といいます。そして、基礎体力向上(プラクティスともいう)とコンディショニングの2つを合わせて、「トレーニング」といいます。

そう、「トレーニング」は、柔道が強くなるための土台づくりのために行うのです。

こう考えると、今なんにもしなくて柔道が強い選手が、トレーニングをしっかりと行い、パフォーマンスピラミッドの基部を大きくしたとしたら、柔道の競技力が伸びる可能性は今よりもさらに高まるといえます。たいしたトレーニングをせずに強いならば、トレーニングをすればさらに強くなる余地ができるとも考えられる。

逆にいえば、未だ柔道界では「科学的なトレーニング」の導入が曖昧なので、いちはやくトレーニングを導入した選手やチームは他を追い抜くチャンスかもしれませんね。

選手を育てる、怪我を予防するという観点からも柔道にとってトレーニングは重要な要素になるでしょう。

柔道をみっちりやって、その上でトレーニングもしっかりと行う!

これがこれからの柔道界の課題かも。

で、どんなトレーニングをすればいいか・・・。

それはまた次回。

あ、一応第7回も読んでおいてください(笑)