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コラム『青畳の記憶』~OBからの寄稿文~

第11回: 感謝
田中 源太(平成12年卒)
田中 源太(平成12年卒)
田中 源太(平成12年卒)
小田急電鉄株式会社勤務

「源太ぁ、青畳の記憶へ書いてくれない?」
 先日参加した稽古の後、吉村監督より突然指名を頂きました。顔に(本当ですか?困ります!)という気持ちを全面に出し、グズグズしていたところに監督から肩を押されて「な、お前のようなOBからの原稿も必要だ。頼むよ!」と体格差を使ってダメ押し。頼りないワンポイントリリーフですが何とか次につなぎます。暫くの間、お付き合いください。

 一般入試でかつ初心者であった私を快く受け入れてくれた早稲田大学柔道部を卒業して11年が経過しました。全国レベルの実力を持つ先輩から、私と同じく初心者として柔道を始められた先輩までが、とても厳しく稽古をつけてくださいました。(当たり前ですが全部私より強い方との乱取りであったため)稽古が終るとクタクタ、握力がなくなり帰りの電車で吊革を握るのがやっとの日々。このような毎日で4年間続けられたのは、厳しさの裏に「強くなれ。お前のような初心者でも強くなったら貢献できるチャンスがある。強くなったら早慶戦へ出場して活躍できるんだ」・「試合で結果を残すことだけではない。とにかく毎日一生懸命がんばれ。今しかできないことに対して精一杯努力しろ」というような、優しいメッセージを常に感じることができたからです。実際、一般入試の先輩がレギュラーとして華々しく活躍されていました。また、初心者レベルから始めて早慶戦で活躍された先輩が何人もおられました。なかには優勝大会の団体戦メンバーとして活躍された先輩もおられました。そのような先輩方から直接稽古をつけて頂いたり、お話を伺ったりしたことは非常に励みになりました。また、先輩方は柔道以外においてもとても可愛がってくださいました。稽古が終ると優しく声を掛けてくださり、高田馬場で「何でも飲み食いしていいぞ」と気持ち良くご馳走して頂きました。厳しい状況を共有してくれた同期や、明るく励ましてくれた後輩の存在も心強かったです。先輩、後輩そして同期の方々とはどんなに久しぶりでも、ひとたび会うと当時の仲に戻ります。本当に不思議な感覚です。

 前述のことはほんの一部ですが、私は入学から卒業まで、(初心者も受け入れ、同じ環境で稽古をさせて頂ける)早稲田大学柔道部を通じてしか得られない貴重な経験を数多くさせて頂くことができました。就職活動の際、また、社会人となった現在も、早稲田大学で柔道をしたお陰で(柔道に限らず)色んな方々との出会いやかけがえのない経験をさせて頂いております。また、社会人として逆境に立たされた時には「早稲田大学柔道部で4年間を過ごしたこと」が私の心を根底から支えてくれ、測りえない力を発揮させてくれています。早稲田大学柔道部の先生・先輩・後輩そして同期の方々のご厚意にはこの場を利用させて頂き、改めて御礼を申し上げます。大学の試合においては貢献できなかったことから今後も柔道部に対して、できることから一つずつ恩返しを行っていこうと思います。
 推薦にて受験可能な実績をお持ちの高校生はもちろん、一般入試で早稲田大学入学を考えておられる方や初心者の方も是非、都の西北へ進路を取り、早稲田大学柔道部を志して頂きたいと思います。

 最後にコラムのバトンについてです。岩手県宮古市出身、強靭な精神力をもって4年時に主将を務められた後、現在はご実家と同じ業界で活躍されている同期の吉田真也君へお渡ししたいと思います。

[2011年11月29日]