結論からいうと絶対に必要です。
ただしトレーニングプログラムの組み立てのコツがあります。
たぶん多くの柔道選手はウエイトトレーニングを誤解しています。一流の柔道選手でさえ、「筋トレをやって技がかかりにくくなった」、「筋トレをすると柔道のキレがなくなる」と表現する方もいるようです。選手の持つ感覚ですから、ウエイトトレーニングをすることによって柔道のパフォーマンスが低下する。・・・これは本当なのでしょう。
問題は「どんなウエイトトレーニングをやったのか?」です。
重い重量を持ち上げて最大筋力を挙げる、筋肥大させる、ベンチプレスやスクワットやパワークリーンを頑張る、腹筋を何百回もやる・・・だいたいのチームではこんな感じのトレーニングが組まれるようです。
コンディショニングトレーナーの立場から診ると、いわゆるテキストに載っているようなトレーニング方法を柔道選手に当てはめてプログラムしているのは・・・そりゃダメでしょ・・・となります。
もちろんベースとなる筋量や筋力は必要なので一定のレベルまでは、いわゆる普通のプログラムでウエイトトレーニングをします。特に競技力の低い高校生や大学1年生にこれは必須です。しかし、自分の体重を十分にコントロールできるレベルまで筋量と筋力がある選手には、10回持ち上げられる重さでベンチプレスやスクワットを8回*3セット!というのは意味がありません。もちろん競技力は低下するでしょう。
なぜか?
それはトレーニングの原則のうちのひとつ、「特異性の原則」を無視しているからです。
筋肉は、その動きの速さや動かした角度、力発揮の仕方など実際にトレーニングした様式に合わせて特異的に成長します。つまり、「筋トレでつけた筋肉は筋トレでしかその能力を発揮しない」ということです。ベンチプレスやスクワットや懸垂の方法は、柔道の動きとはまったく関係ない動きですよね?これらのトレーニング方法は、そのままの形で行うと、まったく意味のないものになります。
ではどうすればいいのか?
この問いに答えるには、柔道におけるウエイトトレーニングの目的そのものを考え直す必要があります。
早稲田大学柔道部ではスクワットを重視しています。
ただし、その方法論は通常のものとは全く異なります。
ヒントは・・・早稲田の選手ならわかりますね?
「体軸」です。
たぶんつづく